フォンディュ相変わらずの人気にてしかも外にて爽やかな気分のもとに人の食を眺めるも愉快。夕刻ハイティーも定番となる。近頃仕入れし新しき葉にて試飲する。飲んだ瞬間に脳髄の真を刺激される感あり。その力強さに驚く。その後ミルクを添えて飲むこと数回。ミルクが程よくお茶のとげのある所を包み込み「これがあれか!」にわかには信じられないほどの化け様。上等のクラレットのワインを飲むがごとき感あり。食にては地味なイギリスの名が紅茶にてその誉れを輝かす所以を信ずるに足るを知る、誠に有意義な日であった。しかも本日のスコーンの出来具合は誠によかった。粉の風味、焼き上がりの色、口に入れたときに広がり行く香り。その後に飲むミルクティーの高貴なる香りとの融合。このスコーンに其れを受けるこのミルクティー、役者はそろった。その感想をありていに料理人に述べれども我料理人「何をいまさら!我技量の深遠なるを己は今にして知りおったか!お主もタワケノ者よ!」とでも言いたき素振りにてにてちらりと目を合わせ忙しく料理を拵えているばかりであった。最近は乏しい棚の中より「シャンベルタン」が出てきた。然る所より戴きて忘れていたものである。その相棒の食材を考えるのに頭を悩ます今日この頃なり。

「紅葉する老年」と云う言葉が好き。老年期、戸惑うことばかり。孫の名前がとっさに出てこない!愛用するお店の名前も失念!探し物で、部屋に入ったら、目的を失念!と、悩ましいこの頃なのであります。一方、巷では、「人生100歳時代」と言うフレーズを耳にします。「そんな事は学校では教わりませんでした」などと、愚痴めいたことを言っても仕方がない・・・・。
後26年でそこに到達してしまう!店で立ち働いていると、「よく頑張ってますねぇ!」と、人様に褒められる事もある。こういう時は、気分爽快、元気が出るのであります。これはそんな老輩の日々を綴るものです。