風無く寒。店を開ける為に、今朝は風もない様なので、自転車で出掛ける。心配していた筋肉痛も生ぜず、無事到着。暖炉に火を入れ、間もなく、来店有。店を終えて復路、谷間の向こうに陽が没し、日陰がちの道路を走ると、冬の空気の冷たさが体に浸み込んでくる。3時の外気温は5度。帰宅後早速風呂に入る。この瞬間は極楽也。昨日、文化村の付近で、映画を観る前の腹ごしらえをする為に入った店で、灰田勝彦の歌が流れていた。「東京の屋根の下」「新雪」「野球小僧」等・・・。戦後間もなくの頃の有楽町、日比谷界隈の風景が浮かぶようだ。長崎ちゃんぽんの店で、忙しくたち働いている若い大将は長崎の出身だと言う。ぼんやりと懐かしい音楽に浸って居ると、程なく湯気を立て、美味しそうな汁たっぷりのチャンポンが出て来た。丁寧な作りで、思いのほか時間が経った様だ。映画は3時15分に始まる。今、3時5分過ぎ。目の前が劇場の入り口でもあるから、途中で残しても店を出て映画に駆け込もうと思い、箸で麺をつまんでひと啜りするとこれが「美味しい!」今まで休眠状態であったお腹が空腹であることを思い出したようだ。レンゲでスープをすくって口に含むと「誠に美味」、こうなると、体と精神は分裂状態となる。体はチャンポンを更に欲して、「麺を!スープを!」と要求する。気持ちはあと5分しかない!。劇場はエレベーターで6階まで上がらなければならないから、「もう、諦めて、店を出なければならぬ!」と命令する。しかし、体は「もっとスープを!麺を!」と要求する。スープは体に浸み入るが如く、老輩はあいだに挟まれ、錯乱状態に陥る。いつぽう、手は皿から口へとチャンポンを自動的に運んでいる・・・。汗を拭き々エレベーターに駆け込んで、劇場に到着すると、既に、予告編が始まっている。係りの人に、平身低頭して、劇場に入れさせてもらった次第。しかし、灰田勝彦「東京の屋根の下」は良かった!チャンポン旨かった!

「紅葉する老年」と云う言葉が好き。老年期、戸惑うことばかり。孫の名前がとっさに出てこない!愛用するお店の名前も失念!探し物で、部屋に入ったら、目的を失念!と、悩ましいこの頃なのであります。一方、巷では、「人生100歳時代」と言うフレーズを耳にします。「そんな事は学校では教わりませんでした」などと、愚痴めいたことを言っても仕方がない・・・・。
後26年でそこに到達してしまう!店で立ち働いていると、「よく頑張ってますねぇ!」と、人様に褒められる事もある。こういう時は、気分爽快、元気が出るのであります。これはそんな老輩の日々を綴るものです。