朝よりローストビーフを焼く。製作工程の第三コーナーを回り始めたころ、暖炉も前に設置したソファーでしばしの休息を目論見、身を横たえたが、早朝の疲れもでて30分ほど寝てしまい、店を手伝っていただく「うぶちゃん」に「マスター!暖炉の火が消えちゃいますよ!」と注意を受けた次第。秋も深まり、暖炉の前で横になり、火の温もりを全身に浴びながら寝入るひと時は、何とも言えない、至福の一時だ。例えば、食事を済ませて、食後のコーヒーを暖炉の前でこんな風に過ごすことは、これこそが、将に「贅沢」というものであろうと思う。さて、一段落してまもなく、青年から挨拶をうけた。その人はかつて、自治医大病院で医学を勉強の折、時折当店を利用して頂いたご仁。今より、7~8年前、医師になり九州へ戻ったのである。今日は、当地に所要の為訪れた機会を利用しての来店だと言う也。だから、その後の激変する老妻の境遇、老輩の波乱万丈の近況を熱心に伝え、一緒に記念写真に収まったのである。

「紅葉する老年」と云う言葉が好き。老年期、戸惑うことばかり。孫の名前がとっさに出てこない!愛用するお店の名前も失念!探し物で、部屋に入ったら、目的を失念!と、悩ましいこの頃なのであります。一方、巷では、「人生100歳時代」と言うフレーズを耳にします。「そんな事は学校では教わりませんでした」などと、愚痴めいたことを言っても仕方がない・・・・。
後26年でそこに到達してしまう!店で立ち働いていると、「よく頑張ってますねぇ!」と、人様に褒められる事もある。こういう時は、気分爽快、元気が出るのであります。これはそんな老輩の日々を綴るものです。