夜来の秋雨は昼を前に止む。其のしばらく前、近所の手伝っている娘さんが、「マスター・・・、今日はどうなるんでせぅか・・・」と、雨の落ちる空を見上げながら呟く。樹木の隙間からあたりを見回しても、街中と違って、人の気配というモノは無い。鳥の声が届くばかり。空は鈍よりとして、心細くもなるのだろう。ふと、そこへ、ヨーコさんも顔を見せたので、娘さんも安心して準備にとりかかる。やがて、昼近くなると、「やってますか?」と電話も次から次へと鳴りだし、車も入ってくる。かくの如くして一日は過ぎる。今宵は、中秋の名月。秋の風情いやますばかりなりけり・・・・。

「紅葉する老年」と云う言葉が好き。老年期、戸惑うことばかり。孫の名前がとっさに出てこない!愛用するお店の名前も失念!探し物で、部屋に入ったら、目的を失念!と、悩ましいこの頃なのであります。一方、巷では、「人生100歳時代」と言うフレーズを耳にします。「そんな事は学校では教わりませんでした」などと、愚痴めいたことを言っても仕方がない・・・・。
後26年でそこに到達してしまう!店で立ち働いていると、「よく頑張ってますねぇ!」と、人様に褒められる事もある。こういう時は、気分爽快、元気が出るのであります。これはそんな老輩の日々を綴るものです。