朝、ヨーコさんは洗濯物で忙しいので、僕がモーガンでオーブン修理の立会いに出かける。帰路、医院にてコレステロールの薬を受け取る。今日はヨーコさんも元気だ。粗食を作ってもらう。Bunkamuraに行くために駅まで送ってもらう。劇場に到着すると3時からの上映は満席。5時のチケットを買い、時間つぶしに書店に書棚を探索する。書籍が沢山並んでいて様々なキーワードが脳を刺激し程よいセラピーとなる。映画アルゼンチンタンゴ「伝説のマエストロ」の観客の平均年齢は70歳をはるかに越えていると思う。自分で言うのもなんであるが、かくしゃくとした御老体が大半の席を満たす。全編を流れるタンゴはあまり馴染みの無い物ばかりだが、バンドネオンが奏でる音楽は十分に楽しめるものだ。歳を重ねて肉体はかなり変形したが、その世俗を超越した音楽への情熱が画面に溢れている。
考えてみると、ブエノスアイレスは今次大戦の難に会わず、30年代より50年代まで、音楽的個性を独自に発展させ、タンゴの音楽的世界を確立したのだ。
翻って、60年の長きに渡り、戦火に出会わずに現在にいたった日本文化は世界に浸透しつつある。たとえ、国威が凋落しようとも、日本人のライフスタイルから染み出してきた様なものが、着実に地球を覆うようになれば、孫達の時代になっても、世界に向って面子を失うようなことも無いであろう。
この映画を見て、そんな感慨を得た。
帰路、赤坂に下車してオイスタバーに立ち寄り飯。

「紅葉する老年」と云う言葉が好き。老年期、戸惑うことばかり。孫の名前がとっさに出てこない!愛用するお店の名前も失念!探し物で、部屋に入ったら、目的を失念!と、悩ましいこの頃なのであります。一方、巷では、「人生100歳時代」と言うフレーズを耳にします。「そんな事は学校では教わりませんでした」などと、愚痴めいたことを言っても仕方がない・・・・。
後26年でそこに到達してしまう!店で立ち働いていると、「よく頑張ってますねぇ!」と、人様に褒められる事もある。こういう時は、気分爽快、元気が出るのであります。これはそんな老輩の日々を綴るものです。