営業が始まってまもなく、ヨーコさんの「オーブンが点火せず、パンが焼けない!」との声が厨房より聞こえてきた。暖炉ではちょうど、ローストビーフが焼きあがったところだ。パンが焼けないのは一大事。牛丼屋でご飯が出来ないのと同じだ。洋食系のブロッサムではパンは欠かせない。メンテナンス会社も休みだ。こまった!ヨーコさんより足利でフランスパンを買ってこいと指令が出た。「合点承知の輔!」とばかりに、ひごろモーガンで鍛えたドライビングテクニックを駆使し、飛駒街道をフルスロットルで駆け上っていった。幸いにも交通量が少なく、安全運転を保ちつつ、何と、市民会館まで15分フラットで到着(ちょっと、過激な表現は無視してください)。パンを買い自宅より電気トースターを積んで、店に舞い戻った。ヨーコさんは余りの速さに驚いていたが、僕は何事もなかったように、注文の入った「仔羊のグリル」を焼き始めていたのである。
店は終日賑わいを見せたが、混乱も無く推移する。今日は、ブロッサムで知り合い、出産予定を控えているカップルも來。慶なるかな!
午後、通り雨有。店が一段落して、最後の人を見送って外に出ると、若いねむの木が花をつけているのを発見。この花を見ていると、南洋を旅行した頃のことを思い出す。
汗を沢山流したので、汁気の物が欲しくなり、夜、「まるやま」にてラーメンを飯。

「紅葉する老年」と云う言葉が好き。老年期、戸惑うことばかり。孫の名前がとっさに出てこない!愛用するお店の名前も失念!探し物で、部屋に入ったら、目的を失念!と、悩ましいこの頃なのであります。一方、巷では、「人生100歳時代」と言うフレーズを耳にします。「そんな事は学校では教わりませんでした」などと、愚痴めいたことを言っても仕方がない・・・・。
後26年でそこに到達してしまう!店で立ち働いていると、「よく頑張ってますねぇ!」と、人様に褒められる事もある。こういう時は、気分爽快、元気が出るのであります。これはそんな老輩の日々を綴るものです。