ホテルの優雅な朝食を済ませ、天守閣に登る。城はコンパクトながらバランス良し。老女二人は公園に息う。眺望良。松本民芸館にて、繊細な線をもつ優雅な李朝家具を見る。李朝の家具を見るのは久しぶりだ。昔、韓国貿易の頃、ソウル市内で見かけたことがあるが、館内で聞いてみると李朝の家具にして「民芸家具」は発するという。然も在りなん。
特に、棚の上に安置されている厨子は見事だ。この職人はミニチュアールの楽しさを解する人にちがいない。気が遠くなるような細かな格子戸の下に納まったパネルが非常によろしい。厨子に向かい合っていると、扉の中から『どうだい!大将・・。上等だろう!』と声が聞こえたような気がする。
館にて上田方面の道を尋ね、三才山トンネルを越えて丸子は一時間であるとの意見を入れ、玉村豊男さんのワイナリーに向う。併設レストランにてシードル、ワイン、眺望を楽しみランチを飯。婦人達大いに満足。松本よりレストランに向う途中の運転手の心理は、各方面より我店に向う如くの思いありなん。
帰路、ヨーコさんの運転に代わり、助手席にてうとうとと眠り込む。目を覚ます頃には無事足利に到着する。

「紅葉する老年」と云う言葉が好き。老年期、戸惑うことばかり。孫の名前がとっさに出てこない!愛用するお店の名前も失念!探し物で、部屋に入ったら、目的を失念!と、悩ましいこの頃なのであります。一方、巷では、「人生100歳時代」と言うフレーズを耳にします。「そんな事は学校では教わりませんでした」などと、愚痴めいたことを言っても仕方がない・・・・。
後26年でそこに到達してしまう!店で立ち働いていると、「よく頑張ってますねぇ!」と、人様に褒められる事もある。こういう時は、気分爽快、元気が出るのであります。これはそんな老輩の日々を綴るものです。