半袖で過ごせるほどの穏やかな日となる。桑の葉が「ばさりっ」と落つ。青春時代、この季節、イブ・モンタンの「枯葉」がしきりにラジオから流れてきた。早朝より暖炉に薪をくべ肉塊をやく。店のあいまをぬって、しきりに薪を割る。まさかりを頭上より後ろに背負い、「えい!」という、掛け声で腕を伸ばし投げるが如く、振り下ろす。「ぃりやぁ!」というまに刃先は丸太の真を砕き、真っ二つになる。マサカリの柄は三尺余、僕の腕は弐尺余。合わせて五尺の柄を持つマサカリは腕の付け根を回転軸にし、渾身の力を込めて振り落とすのだ(この文章を打ち込んでいて、思わず、肩に力が入っている事に気付く)。これを繰り返すこと五十回を下らず。全身熱気が走り、汗が滴り落ちる。十分なる運動をした一日となる。ヨーコさんの同級生山梨より來。

「紅葉する老年」と云う言葉が好き。老年期、戸惑うことばかり。孫の名前がとっさに出てこない!愛用するお店の名前も失念!探し物で、部屋に入ったら、目的を失念!と、悩ましいこの頃なのであります。一方、巷では、「人生100歳時代」と言うフレーズを耳にします。「そんな事は学校では教わりませんでした」などと、愚痴めいたことを言っても仕方がない・・・・。
後26年でそこに到達してしまう!店で立ち働いていると、「よく頑張ってますねぇ!」と、人様に褒められる事もある。こういう時は、気分爽快、元気が出るのであります。これはそんな老輩の日々を綴るものです。